2010-01-01から1年間の記事一覧
耐へゐしがつとはづれたり雪降り来 四十雀何呼ぶとなく雪催 削除せしものがまことか去年今年 病窓に三たり集ひし年忘れ 亜紀子
御降の予報聞きつつ松飾る 厳冬の地より笑顔のメール来る 亜紀子
凍てきびし星のなき夜はただ歩き 歳晩や小さき煮炊きに鍋噴いて 呼び合うて蜜吸ひにゆく目白二羽 亜紀子
次々と年の瀬寒波寄せ来たる 冬夕焼け赤し病窓ひとつづつ そこばくの金医療機に熔く師走 亜紀子
煤逃の一団とよみ外つ国へ オリオンの悴む鼻にやや歪む 亜紀子
くわりんの実 ひと月の一句尊しくわりんの実 暖房や自動ピアノに目が覚めて 霜月の煮炊きに部屋を暖むる 夢遠く銀河に水を汲みてをり 訝しき声は鶇となりゐたり 亜紀子
月 近所の買い物帰り、目の前を雀ほどの大きさの鳥が過る。動きが雀にしては素早い。何かしらと目で追った先のフェンスに、尉鶲の雌が一羽、こちらをちらちら気にするような素振りで尾を振っていた。その日を境に朝の気が少し冷んやりとして、初鵙を聞く。そ…
裏町や雪雲星を押し流し クリスマスともしび淡く過ぎにける 亜紀子
生れしイエスの喜びは何寒昴 亜紀子
凩や入院の荷の小さかり 人看つつ父母思ふ師走かな 亜紀子
あたたかき冬至諾ひすれ違ふ 進路相談冬の日差しに椅子を寄せ 亜紀子
なほいきつもどりつしつつ年詰る 枯庭の夜明けの雨に閃くもの 亜紀子
肉桂の香に林檎煮て十二月 柚子の香や気散じに立つ厨事 亜紀子
養生のためと歩くや着ぶくれて 夜々歩く友だちがほに冬の月 亜紀子
師走はや水浅き瀬のごと流る 父母も山河も我も枯れゆくか 亜紀子
冬星のコンパスまはる夜を歩く 亜紀子
火の見えて冬熱き麺麭竃を出る 麺麭焼きの軽羅一張十二月 星々の下鉄壁の冬木の芽 冷たかり去年は耐へたる寒風も
くもる窓籠り心地に小豆煮て 亜紀子
帰り来し子と門に見る流れ星 刹那とは流星冴ゆることならむ 流星やこの寸陰の確かなる 亜紀子
四十雀枯れ木に鈴をつけてゆく 手の中の小鳥大事に冬籠 亜紀子
天寿祝ぐとふ極月の通夜の席 亜紀子
都々逸の名手なりとは年忘れ 街は雨忘年句会跳ねし夜の 白息やいかでこの世を愛すべき 亜紀子
眠々亭落葉の厚き頃ならむ 新機軸夢のまた夢年忘れ 亜紀子
時雨るるや落葉ひと皮濡れにける 寒燈や我が語にこころあるやなき 亜紀子
提げ来たりまことに甘き蕪大根 だし取りの伝授師走のメール来る 天涯はいづこ迷子の星流る 亜紀子
風に鳴る窓に小さき聖樹の灯 引いてみる聖樹飾りの仕掛け糸 東方の賢者がまはるオルゴール 聖樹下に硝子の羊首かしぐ 霜の夜や神の子も神を問ひしこと 亜紀子
冴ゆる灯やまこと詩人の古手帳 「山娘」画像を貰ふ十二月 亜紀子
たはやすく言葉一つに夜の冷ゆる 冬銀河ことば持たずば安からむ ここ行けば柊香る小径なる 亜紀子
花舗の中小さき聖樹のただ緑 蔦の実や心励ます言葉あり 亜紀子
風熄んでシリウス息を吹き返す 蔦落葉ひと夜小家の身震ひに 夕刊を明日は冷ゆると抛りくる 亜紀子